新春恒例企画2025その4
クラフトビールの特徴の一つとして、個性的なパッケージデザインというのがありますね。
2024年に紹介した缶ビール、瓶ボトルビールのうち、印象に残ったパッケージを5本ご紹介いたします。
好きかどうかより、思わず手にとってしまうインパクトで選んでますのでご留意を。
これまでの特集記事はこちら
ロッキンギーク必携のマーシャルビール
まずは個人的には年間ベスト、ROCK'N'ROLL CRAFT BEERのキャッチコピーが激カッチョイイ、マーシャル公認のビールから。
ジミヘン、ピートタウンゼント、クラプトン等々、そうそうたる大物ギタリストに愛されてきたギターアンプの、キャビネットの部分をまんまあしらったパッケージデザインがイカし過ぎの1本です。
ブルワリーについて
スコットランドのウィリアムブラザーズブルワリーによる醸造です。
1988年にケール語を話す女性から、「Leanne Fraoch」という古代ビールのレシピを受け継いだのが始まりだとか。
紀元前2000年まで遡るといわれるこのレシピ(ほんとかよ)は、今でもこのブルワリーの定番ビールの原型となっているそうです。
2004年にWilliams Bros. Brewing Coが設立しています。
因みに、日本での販売は、数々のロック酒を手掛ける都商会が請け負っています。
ラガータイプのビール
色は淡いゴールドといったところで、ピルスナーの小麦色よりは濃いめです。
オフィシャルサイトには「Hoppy Lager」ってスタイルが書いてありましたが、ホップか盛られた心地よい爽やかアロマです。
リッチで高級感溢れるオーバードライブ
変な言い方ですが、「洋モノ」つて感じの味わいです。ブランデーを彷彿とさせる高貴なフルーティーアロマ。モルティでリッチなテイストが溢れ、真空管を通過したかのような骨太の音域。
プラグを突っ込んだ瞬間ぶっ飛んだマイケルJフォックス。
味が凄く濃いのです。かといって爽快感は失わず、キッチリドライブ感溢れるアメリカンロードをまっしぐら。
IPAとかだと、イントロから強烈なシトラ感とビターを見舞ってくるところが、こいつはまず上品なフルーティーテイストとモルトのスウィートボイスが鳴り響きます。
アルコール4.5%とは思えん迫力です。まさにロケンロールですねえ。
因みに、アンプそのまんまの箱に入ったギフトボックスも売ってます。話のネタにどうでしょうか?
鎌倉観光の手土産にピッタリ、御利益ありそうな大仏ビール
酒屋の棚に並んでいたら誰もが目を止めそうなインパクトのある1本がこちら。
熊澤酒造が作る湘南ビールのラインナップから、その名も大仏ビールです。
ブルワリーについて
金ぴかの大仏様がインパクト大です。
「湘南ビール」で有名な熊澤酒造が手掛けています。神奈川県茅ヶ崎市のブルワリーで、元々は日本酒酒造です。明治5年(!)創業の超老舗の蔵元です。
JR相模線香川駅徒歩7分ほどのところに、蔵元料理天青という、超気になるブリューパブを構えます。
シュバルツスタイルの黒ビール
どうやら、湘南ビールのスタンダードラインナップ・「シュバルツ」のアートラベル版みたいです。なので中身は全く同じらしい。
観光地でのお土産として、常套手段となりそうな戦略ですね。
シュバルツはドイツバイエルン地方発祥のブラックラガーです。
ラガーベースならではのスッキリロースティ
後味にほんのりとした酸味が感じられて、甘味は抑えめ、爽快感があります。
ロースト麦芽のテイストは深すぎず、苦々しさはなくて呑みやすいと思います。
温度が上がってくると、なんというか、草のような漢方のような、独特で複雑な風味が現れます。さらに、上品なフルーティーと酸味がよく感じられて、さらに違った表情になりますね。
スタイリッシュで端正な佇まいを感じさせる1本でした。お土産にどうぞ。
高崎市伝統工芸品がスタウトになって登場
大仏が出てきたら次はだるまだろう、というわけではないですが、似たようなコンセプトの1本がこちら。
但し、先ほどの品行方正なイメージのビジュアルに比べるといかにも不気味な様相を漂わせています。
大仏ヒーローアニメの悪役として登場しそうな悪達磨か。
ブルワリーについて
群馬県ってダルマが有名っすもんね。高崎市の伝統工芸品です。よって、高崎駅の改札口の本当に目の前にある群馬いろはというギフトショップで売られておりました。
作っているのは、田園プラザ川場。「川場ビール」という、群馬県界隈の地酒コーナーには必ず置いてあるビアブランドで有名なブルワリーです。
川場田園プラザという道の駅の工場で作られているという珍しいビールです。ビアレストランも併設しているそう。道の駅なのにビアレストランとは、なかなか攻めますよね。
ビアスタイルはスタウト
前述の大仏がシュバルツでしたので、バッチリ役どころ別れていていいですねえ。
スタウトは、アーサーギネス氏が提唱したアイルランド産まれの黒ビールです。似たような味で「ポーター」というスタイルがありますが、あちらよりも濃厚でリッチなテイストということになってます。
が、最近は明確な違いというのはほぼ無いみたいです。
ライトボディで呑みやすい
ビターは抑えめ。甘味も抑えめ。ライトでリッチさはかなり低め。
なかなか繊細というか、チビリチビリとやりたい派には物足りないでしょうね。ダルマの力強いイメージとは少し異なるかもしれないです。
パッケージのイメージからすると少し意外な、さくっとイケる一杯だと思います。
しかしダルマなのになんで黒なんですかね。レッドエールとかのがしっくりくるような、、ダークサイドに堕ちて黒く染まっただるまを鎌倉大仏が救う、みたいな?すみません、ヒーローモノに仕立てあげたいわけではないです汗
スーパーHOPヒーロー×Sixが放つ必殺コンボ
今度は正真正銘、戦隊ヒーローモノをテーマにしたユニークなパッケージの一品です。
ブルワリーについて
作っているのは長野県諏訪市の二百余年の歴史をもつ酒蔵、麗人酒造です。
地ビールとしてはなかなかの知名度を誇るのが信州浪漫ビール。
日本酒の仕込みに使っている霧ヶ峰の伏流水と名湯上諏訪温泉を使って造られているそうです。温泉に含まれるミネラル分には酵母の発酵を促進する働きがあり、味わい深いビールができあがるのだそうですよ。
6体じゃなくって6種のホップによるIPA
その名の通り、6種類のホップが贅沢に使われております。それは、、
スパイシー&フローラルカスケード!
落ち着きのほろ苦コロンバス!
ガツン!とスパイシーチヌーク!
マイルド系アロマクリスタル!
華やかな香りシトラ!
スーパーバランスセンテニアル!
華麗にリッチに薫るフルーティー&ビター
アルコール6%の平常運転にしてはコクがあり、しっかりとしたカラメルモルトの風味、芳ばしさ。コロンバスの魔術が光ります。
ビターはハードパンチャーではないですが、どっしりと存在感を放つチヌークが待ち構えております。
カスケードとシトラの華やかなフルーティーテイストと、クリスタルのマイルド感が併さって、グラマラスに迫ってきますね。
1杯目にもイケる爽快感を保ちながらも芳醇。鬼神センテニアルにより、フォースにバランスがもたらされます。
アクロバティックテイストを体感せよ!
筆ペンでテキトーに描いたかのようなキャラクターがにくめない
潔いというかなんとゆうか、シンプルでわかりやすい、一度見たら忘れない、カールおじさん並みにキャッチーで、ある意味インパクトのあるデザイン。
なんでこれを選んだのだろう。
ブルワリーについて
作っているのは新潟麦酒。新潟市に立地するブルワリーです。
日本で初めて【瓶内 醗酵・熟成】による製造方法で、ビール製造免許を取得したということで、何気に重要ブルワリーの一つということになります。設立は1997年。
実は「Golden Kölsh」「European Kölsh」という超クールなボトルビア2本をリリースしていて、それらとのデザインの落差が凄すぎるのもこれを選んだ理由の一つです。➡️こちらからチェックを。
非加熱処理・無濾過の上面発酵ビール
このビールのスタイルは、アナウンスされておらず分かりませんでした。上面発酵(エール)タイプのビールということはわかっています。
缶内で熟成させる缶内二次発酵製法が用いられているので、ワインのように日々味が変化してゆくのがウリ。
可愛い麦酒君(仮称)が、だんだんと青年に歳をとっていくわけですね。
ノスタルジックなモルティなコクと甘味
どす濁った茶色をしてます。ビターは抑えめです。
パンチの効いた柑橘系のアロマ、とか、ダンクでトロピカルなフレーバーとか、トレンディな味わいとは一線を画す(失礼)、どこかホッとするクラシカルで牧歌的なテイストです。
昔ながらのオールドライクなベールエールを懐かしく感じる方なら好評価でしょう。
ロンドンプライド?なんそれ??って方には受け入れられないかも。クラフトビール・ジェネレーションギャップ計測ツール。かもしれませんね。
もっと洗練されたセンス溢れるデザインのものを紹介するつもりが、面白ジャケコンテストみたいになってしまいました。けど、どれも気になるでしょ?
ラベルの好みで直感的にチョイスするのも案外楽しいものですよ♪